The Backpack in progress.
名も無きバックパックに取り組んで数年。
一度まとめとかないと収拾がつきません。
【わりと普段使い】
剥離するウレタンコーティングされたコーデュラナイロン系ではなく。
かといって「ああ、革好きの人のやつね。」的なオールレザーではなく。
生地とナチュラルレザーのコンビで仕立てるバックパック。
・高耐久 →素材の耐久性が高い、もしくは持続的にメンテナンス可能。いわゆる[丈夫な]バックパック。
・機能的 →デイリーユースから2泊くらいの宿泊旅行まで使える
・大容量 →買い物時に全てパッキングできる
・軽さはある程度まで切り捨てる →大容量・高耐久にバランスを崩すのである程度の強度の為にはやむおえないかと
・楽しい →末永く使う為には大切な要素
・売ってない →販売してたら元も子もない、てか買うよ
・実験的である事 →楽しい事にも重複するのかもしれません。再制作する時がきたら品質向上の為に試験的な部分も含む
こんな具合で作ったのがこのバックパック。
まずメインの素材から
【表面】
ヨットのセイルクロス(帆)に特化した会社である Dimestion Polyant (DP)社がリリースする X-pac x10 (c/# ナチュラル)という生地。
【裏面】
X-pacシリーズの中でも重量級にあたるx-10(=キャンバス材)が実際に帆として使われることなんて現代ではないんやろけどね。個人的に気に入っている面白い生地です。
・キャンバス(10号帆布くらいかな)
・グリッド(この黒い線が特徴的)
・フィルム(コーティングではなくフィルム)
三層構造になった楽しい生地。
表は天然繊維、以下二層は科学繊維とフィルムで耐久性、防水性・耐候性を持たせたローテクとハイテクが邂逅したハイブリッドファブリックです。
【昭南皮革社製】
昭南皮革 多脂ベンズ サドルレザー (c/# ナチュラル)
厚さは5〜6mmを超える分厚いタンニン鞣しのレザーを4mm厚に漉いて使用しています。
ナチュラル色なので日焼けします。
使用に伴って茶色に焼けていきますがオイルレザーではないので深い茶色まではなりません。
【濡れたカッパを収納した際に出来たシミ】
突然の雨などによるシミができますが湿らせた布で全体的に拭き取るとわりと馴染んでシミをわかりにくくできます。
軽い素材ではないにせよ耐久性は人類の歴史が語ります。見た目と共に◎。
【真鍮無垢製】
金具は全て真鍮製(一部のみ試験的にニッケル素材も使いましたが)。
アルミ・ステンレスでもいいのですが今回は真鍮をチョイス。
【剥離なう】
ラッカーでブラックアウトさせて各所に使いました。当然、剥がれて下地である真鍮が露出してきます。
錆びない。種類が豊富。なおかつ入手が容易といった点はメンテナンスしていくのに非常に重宝します。昔から船舶関係を含め色んな箇所に使われるのにも納得できる身近で魅力的な素材。
【世界のYKK】
・アクアガードファスナー
→よく見かける防水のファスナーです。コイルファスナーを裏返してコーティングしたようなファスナーでした。加水分解すんのかなぁ。
【世界のYKK】
・シンメトリックファスナー
→鞄に特化しているファスナーなのでオープンタイプはありませんでした。気に入っている使用感なだけに残念。
【世界のYKK】
・エクセラ
→最高級品と謳われるファスナーです。たしかに通常のメタルファスナーより仕上げが綺麗で多少はスムーズなのですがスライダーの選択肢が少ない。そして高価です。
上記3種類を試用する事にしました。
ここまでが素材のお話。
ここからはディテールへ。
【ラフスケッチ】
1本ベルトで締めるロールトップ(伸縮可能)に2本ベルトで締めるフラップが付いたようなバックパックです。
開口部は上と正面、左側側面からアクセス可能。
そして
・フラップ
上記3点は取り外し可能です。
【取り外せる正面パーツ】
荷室下部へのアクセスを簡単にする為にオープンファスナー2本で構成。なので取り外せます。
【サイドポケットが変身】
サイドポケットは取り外してベルトを通せばポーチになります。
【フラップも変身】
フラップは二つ折りにしてベルトを通せば簡易メッセンジャーバッグになります。
【フォトギャラリー付き】
このフラップパーツには一手間かけて裏側にサークル状のギャラリーを作り、小銭入れでカバーしました。
【ショルダーベルトに留めた小銭入れ】
ギャラリーのカバーとなる小銭入れは互い違いでドットボタンを配置してあるのでベルト類に留める事ができます。
一回ドットボタンが外れました。カシメが上手くいってないのかどーなのか。様子を見ていこう。
【スタビライザー】
実験的な箇所。
本体を身体に引き寄せてフィッティングを高めるスタビライザーと荷室の長さ調節の役割をユーティリティベルト1本にまとめてみました。肩から背面にかけて通ります。
ショルダーベルト(仮組みやけど)にバックルを配置。25mm幅のベルトであれば何でも使えるように制作。
ロールトップで使用時は必要ないので取り外せる機構を採用です。余った金具とベルトは[メッセンジャーバッグ]や[ポーチ]のショルダーベルトに使用。
ロールトップを伸ばした時に荷室の高さが650mmになるのに合わせて長さ1100mmある“ユーティリティベルト”を制作。ウエストベルト、荷締め等、何にでも使えば良いかと。
合わせて長さ600mmのベルトも制作。こちらは完全に荷締め用に作ったものの現在はスタビライザーとして使ってます。(全然ロールトップ伸ばして使わへんのです)
【ブタ鼻(ピッケルホルダー)】
オリジナルシェイプのピッケルホルダー[Crossroad]。
カバン類によく付いてるブタ鼻を使いやすくアレンジ。
色んな金具類やベルトが通ります。